代表世話人からのご挨拶(2024年1月)(敬称略)

 

金平茂紀(ジャーナリスト)

能登半島地震。天からいきなりビンタを張られた気持です。何をやっているのか、と。もし珠洲原発が出来ていたら……。志賀原発がフル稼働していたら……。この国が、原子力発電を選択してしまったことの過ちが突きつけられています。原子力とこの国の遭遇の歴史はあまりにも悲しい。広島・長崎への原爆投下、第五福竜丸事件、東海村JCO臨界事故、福島第一原発炉心溶融事故。勇気をもち、過ちを共にただしましょう。ノーモア原発公害!

関礼子(立教大学教授/環境社会学)

思い出がすべてゴミになった、人生をかけて築いてきたものが水の泡、原発事故は家族を壊したね――福島原発事故で大切なものを失った人々の声です。巨大地震発生のリスクの発生確率が引き上げられるなかで、福島原発事故を経験してなお、原発推進政策に舵を切る国に私たちは住んでいます。いずれ事故が起こるとして、今ではないと思っていた――将来、同じ言葉を繰り返さないために、ノーモア原発公害をともに願い語りましょう。

 

寺西俊一(一橋大学名誉教授/環境経済学)

2024年は元日から、最大震度7の能登半島地震に見舞われました。活断層が複数同時に動いたためです。志賀原発の再稼働など、許されません。実は1970年代以降、関西・中部・北陸の3電力会社が「珠洲原発計画」も推進してきましたが、粘り強い反対運動によって凍結となりました。もし建設・稼働していれば、福島以上の大惨事になっていた恐れがあります。私たちは、「ノーモア原発公害!」の声をより大きくしていかねばなりません。

 

中野直樹(弁護士)

故郷の石川県に帰省中、能登大地震が発生。短時間に2度強震し、2度目は原発のある志賀町で震度7との速報が入り、ぞっとしました。奥能登の惨状に心を痛める毎日ですが、心には、損壊がない街や村から生活のにおいが丸ごと消えてしまった原発被災地の異様な光景が浮かび続けています。原発公害は救援を阻み、過去との連続を断絶する非情なものです。自然の力には逆らえませんが、原発の被害は「ノー」と逆らうことができます。